製品名カセットロール(冷間圧延ロール)
製造メーカー ユーロール
製造国イタリア
カセットロールの特長
カセットロールは、伸線用丸ダイスに替わるもので使用目的により、従来からあるAタイプ、Bタイプとマイクロカセット式およびモジュラー式のCタイプ、Dタイプに分けられます。
カセットロールの主な特長としては、以下のものが挙げられます。
- ロール圧延により、超硬ダイスと比較して、約100倍以上の寿命が得られます。(軟鋼線で、5,000トン以上の実績があります)
- 用途:コンクリート補強異形鉄線、普通鋼線、鋼線、ステンレス線、銅線、アルミ線、およびチタン線、特殊合金線などの難伸線材の圧延に最適です。
- 電力消費量が約10%減少。
- 潤滑材の使用量が約70%減少。
- 仕上り寸法制度が良い。細線で0.02mm~0.03mm(レンジにて:Cタイプ、Dタイプ)。
- コンパクトな設計により、既設のダイスボックスと簡単に交換可能。
- 歩留まり、稼働率および生産性が大幅にアップ。
- カセット専用の連伸機を開発:湿式・乾式ともMax.3,000M/min.を達成。
AタイプおよびBタイプカセットの用途と特長
これらカセットの最も一般的な用途は、1パスまたは2パス伸線で仕上げるコンクリート補強用の鉄筋バー用として使われます。製品は通常4mm~16mm用として、例えば溶接金網、バー等用に使用されます。
カセットAタイプ、Bタイプのメンテナンスは容易で、冷却用およびグリス用の各配管が取り付けられている2つのハウジングから構成され、ハウジングはナットにより簡単に分離できます。
Aタイプ
低炭素・中炭素・高炭素鋼の丸線やリブ線、銅線、アルミ線、チタン線、鉄/銅の複合線などの製造用に適しています。
CL25A1/33、CL26A1/33
超硬ロール | ロールホルダー | 82x15 or 20 | ||
---|---|---|---|---|
ロール外径Max. | 125 | 軸 | 25 or 26mm | |
ロール内径 | 82 | 最大供給線径 | 14 | |
ロール厚み | 15/20 | 最小仕上げ線径 |
3.5 |
CL30A1/33
超硬ロール | ロールホルダー | 90x15 or 20 | ||
---|---|---|---|---|
ロール外径Max. | 150 | 軸 | 30mm | |
ロール内径 | 90 | 最大供給線径 | 18 | |
ロール厚み | 15/20 | 最小仕上げ線径 | 3.5 |
Bタイプ
カセットで減面した寸法は連続伸線機においても、ダイスにかわるものです。 丸線またはリブ線、低炭素鋼および中炭素鋼の線材の製造用です。最終製品はダイス引きと同じ品質で、釘用ワイヤー、銅・アルミ・チタン線等および小径のリブ線用です。
CL25B1/33、CL26B1/33
超硬ロール | ロールホルダー | 82x15 or 20 | ||
---|---|---|---|---|
ロール外径Max. | 125 | 軸 | 25 or 26mm | |
ロール内径 | 82 | 最大供給線径 | 8 | |
ロール厚み | 15/20 | 最小仕上げ線径 | 2.5 |
CL25B1/22、CL26B1/22
超硬ロール | ロールホルダー | 82x15 or 20 | ||
---|---|---|---|---|
ロール外径Max. | 125 | 軸 | 25 or 26mm | |
ロール内径 | 82 | 最大供給線径 | 8 | |
ロール厚み | 15/20 | 最小仕上げ線径 | 2.5 |
CタイプおよびDタイプカセットの用途と特長
カセットCおよびDタイプはどちらもコンパクトですから、従来のダイスに容易に置き換えることができます。
このカセットには多くのメリットがあります。先ず、従来のダイスに比べてロール寿命が格段に長いこと、ダイス交換がなくなり、時間が節約できること、機械の停止時間が少ないこと、高速で運転できること、引抜き力は10%~20%少なく、動力を減らし、潤滑剤の量を減らすことが可能になり、それによって生産性が向上します。
また、ダイスとは異なり、ロールは回転による摩擦で動き、すべり摩擦による動きではありません。さらに、供給線の品質や表面の状態による損傷は受けません。何よりも、ダイス伸線に比較して断線がありません。
Cタイプ
このマイクロカセットは今お使いになっている連続伸線機のダイスと簡単に交換して使用することができます。コンパクトな設計がなされており、精度の 要求される製品用に開発されました。最大の特長は、カセットの側板内部に設けられた回路による、ロールホルダーの内部冷却およびグリス給油機構です。その ため、グリスがワークに接触することがありません。ワークの特性に応じて最大のリダクションを得ることができます。
マイクロカセットはダイスとよく比較されます。対応する製品は;低炭素鋼・中炭素鋼・高炭素鋼の線材、銅・チタン・溶接線等々です。仕上がり線の品質はロールのプロファイルにより約束されております。製品の精度は真円度ともレンジで0~0.03mmです。
加工する線を変える場合、マイクロカセットはダイスと同じです。例えば、連続伸線機において生産スケジュールを変更するとき、またはダイスが磨耗し たときには、ダイスを交換します。これと同じで、マイクロカセットではサイズアップするために前段用にロールプロファイルを再生することにより、再利用で きます(但し、交換頻度はダイス比べ、大幅に減ります)。
ユーロールのほか全てのカセットと同じで、このCタイプも線の微妙な変化に対してロール位置の微調整が可能です。
CL25C33
超硬ロール | 最大供給線径 | 4.4~5.5 | ||
---|---|---|---|---|
ロール外径 | 90 | 硬鋼線及びステンレス鋼線の最大供給線径 | 4.5 | |
ロール内径 | 65 | |||
最小仕上り線径 | 1 |
CL30C33
超硬ロール | 最大供給線径 | 5.5~6.5 | ||
---|---|---|---|---|
ロール外径 | 110 | 硬鋼線及びステンレス鋼線の最大供給線径 | 5.5 | |
ロール内径 | 82 | |||
最小仕上り線径 | 1.6 |
Dタイプ
モジュラー式カセットはユニットを分離して取扱います。これらのカセットはフラックスコアードワイヤー、チタン線または他の特殊な製品など、特殊な要求に 対応すべく設計されたものです。カセットはモジュラー式で、ロール位置調整が可能です。カセットは水冷式でロールのベアリングにグリスを給油するためのグ リス給油ポイントが付いています。
モジュール方式
一連のモジュールは90度の角度で、互い違いに配列され、複数段のユニットが形作られます。この方式の特長は、パス回数を複数回取れることにより減面率を大きく取ることができ、また、最終製品の品質の低下を防ぎます。特に、フラックスコアードワイヤーやその他、デリケートな製品の加工に効果を発揮します。製品の精度は真円度ともレンジで0~0.02mmです。
CL20D20
超硬ロール | 最大供給線径 | 4~4.5 | ||
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ロール内径 | 75 | 最小仕上り線径 | 1 | |
ピン外径 | 55 |
CL25D20
超硬ロール | 最大供給線径 | 6~6.5 | ||
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ロール内径 | 90 | 最小仕上り線径 | 1.6 | |
ピン外径 | 65 |
※8~9mm用CL30D20もあります